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著作権・上演料について

 著作権・上演料については、原則として日本劇作家協会の規定を遵守いたします。
 脚本の著作権および二次使用における権利は、鷲頭 環 にあります。
 上演したいという場合は、下記をご参照の上、必ず、ご一報下さい。


著作権法(一部抜粋)

 第十七条(著作者の権利)
  著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに
  規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
  2 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

 第二十二条(上演権及び演奏権)
  著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。


劇作家の最低上演料に関する決議

 日本劇作家協会は1995年5月13日の年次総会において、下記の「劇作家の最低上演料に関する決議」を採択いたしました。
 本決議は個々の会員を法的に拘束する性格のものではありませんが、大多数の会員が最低限の妥当な上演料と考えるものです。
 戯曲の上演に際しましては、本決議の内容にご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。

  記

 (1) 委嘱料、再演料など名目を問わず、最低上演料は公演の総予算の5%とする。
 (2) ただし、いかなる時にも100万円は下らない。
 (3) この基準は非営利の公演には適用しない。


 【補足説明】
  (1) 5%の計算の基礎となる「公演の総予算」とは、出演・音楽・文芸費、会場・舞台費、宣伝費にとどまらず、チケット販売手数料、公演期間中の事務
    所経費、地方公演における交通費や宿泊費をも含んだ、上演に必要な全てのコストと理解しております。現実の契約の際には、制作体に総予算額を提
    示してもらい、劇作家が合理的な金額だと納得できれば交渉に入れますので、シンプルに処理できるのが利点です。

  (2) この方法では、例えば東京公演と地方公演が当初から予定されているならば、その全体の総予算が計算の基礎額となります。この場合、演劇鑑賞団体
    の支出する劇場費なども当然総予算に含まれます。これに対して、東京公演後に地方公演が決定した場合には、それだけ総予算は増加すると思います
    が、増加額について新たに上演料の上乗せ分を計算することになります。

  (3) 「総売上のパーセンテージ」という案も出されましたが、「チケットの総売上」という意味ならば助成金やスポンサー収入が基礎額に参入されない
    ことになり、適当ではないと考えました。また、現実のチケット売上を把握するのは劇作家には困難ですし、公演終了まで上演料が決定できないと
    いう欠点も指摘されました。

  (4)「劇場ごとにランクを設けて固定料金を定めてはどうか」という案も出されましたが、フリースペースであれば客席数は変動しますし、地方の公民館
    などランク分けの困難な場合もあり現実的ではないと判断しました。


契約書について

 日本劇作家協会・日本劇団協議会の統一モデル契約書は全部で3種類。
 どの契約書も、上演料の金額や上演回数などは空白になっており、当事者で話し合って決めた数字を書き込む形である。
 空白欄を残すともめごとの原因となるので注意したい。

 
  新作の執筆を依頼して、その戯曲を上演する場合の契約である。
  戯曲の著作権は劇作家にあり(第4条)、劇団は勝手に内容を変更して上演することはできない。(第3条2項)
  反面、劇団は当初3年間は日本語圏内での独占的上演権を持つことができる。(第7条2項)
  執筆委嘱料・上演料は、決められた上演回数までは定額である。(第8条1項)
  期間内にその回数を超えて上演すると再演となり、1ステージあたり規定の上演料が支払われる。(第8条3項)
  当事者は、作品プロット、第1稿、完成原稿それぞれについて、提出期限を決めることができる。(第2条)
  期限が守れない場合、劇団は猶予期間を与えて催促した後、契約を解除することができる。(第11条1項)
  この場合、劇団は委嘱料・上演料の返還を受けた上で(第11条2項)、なお損害があればその補償を請求できる。
  ただし、劇作家の損害賠償責任には上限を設けることができるので、上限金額は必ず記入しておくべきである。(第13条2項)
  反面、劇団側が上演を中止した場合等には、劇作家は契約を解除の上、それまでの業務に対応する委嘱料・上演料をただちに請求できる。(第12条2項)
  テレビ放映等の二次利用については、劇作家と劇団が別途協議して決めることになっており、劇団は独断で許可することはできない。(第10条1項)

 
 
  既存の作品を上演する場合の契約である。
  このうち、(2-1)は独占的な上演権を劇団に与えるものであり、決められた期間中は他の者に上演を許可してはならない。
  他方、(2-2)は非独占的な上演許可であって、作家は他団体に上演を許可して構わない。(共に第1条2項)
  執筆の委嘱がないことを除けば、ほかの部分は(1)の契約とほぼ同じである。
解説(弁護士・ニューヨーク州弁護士 福井 健策)